第７回埼玉県環境住宅賞　表彰式が開催されました。

　埼玉県住まいづくり協議会では、去る12月12日さいたま市浦和区の埼玉県県民健康センターで、「第7回埼玉県環境住宅賞表彰式」を開催しました。

受賞者（前列）と審査委員・主催者（後列）

　今回は、全部で92作品の応募がありました。
　その中から埼玉県知事賞に建築部門の「２つ庭の家」（株式会社小林建設　代表取締役小林伸吾）、優秀賞に建築部門の「朝霞の家　ずれとつらなり」（アソトシヒロデザインオフィス阿蘓俊博）、「隣家再生〜築37年住宅ストック活用の住み継ぐリノベーション〜」（株式会社OKUTA LOHAS studio デザインチーム）、「「地域の材料」で「地域の人たち」とつくった家」（株式会社小林建設　代表取締役小林伸吾）の３作品が選ばれ、さらに審査委員長特別賞１作品、協議会会長特別賞１作品、入選５作品、奨励賞３作品が選ばれました。
　表彰式では、宇佐見会長の挨拶に続き各賞の表彰がありました。埼玉県知事賞は柳沢孝之都市整備部副部長から、審査委員長特別賞には中村審査委員長から、他の賞は宇佐見会長から表彰されました。
　その後、中村審査委員長による総評と、埼玉県知事賞、優秀賞の受賞者によるプレゼンテーション、および審査委員による講評がありました。最後にサスティナブル研究委員会の福島委員長の挨拶で終了しました。会場には、入賞作品ばかりでなく、全応募作品が展示され、真摯かつ和やかな雰囲気の中で表彰式は執り行われました。

【審査委員】（敬称略）

委員長中村勉　　公益社団法人日本建築士会連合会環境部会長
委員　秋元智子　認定ＮＰＯ法人環境ネットワーク埼玉理事・事務局長
委員　片渕重幸　一般社団法人埼玉建築設計監理協会相談役理事
委員　佐藤啓智　一般社団法人埼玉県建築士事務所協会副会長
委員　松岡大介　ものつくり大学建設学科准教授

第７回埼玉県環境住宅賞総評

　今年は建築部門53点、アイデア部門35点、学生部門4点、合計92点という昨年の約倍の応募があった。その内容は玉石混交で、議論に上る力作は建築部門で9点、アイデア部門で6点、学生部門で2点だった。そして環境住宅賞という環境評価が重要なのだが、数値性能まで把握し、提示しているのは建築部門22作品(41.5%)であった。ハウスメーカーは性能を重視しており、個人経営者は勉強が不足ということだろうか。まだまだ感覚的なとらえ方が多く、本当にそうなっているかを説得できる数値が環境建築には必要なのだが。
　現在は省エネ基準が充足し、ZEH住宅の時代にあるのだが、どのような省エネ性能を設計しているかを把握する意識の少ない作品が多いことは残念である。
　環境建築は省エネだけでなく、低炭素社会への提案や少子高齢化社会への提案も重要だ。敷地の微気候を利用したり、少子高齢化への対応、地球温暖化による豪雨や強風などの災害に強い家が求められている。
　県知事賞は高齢になり、子どもたちも独立して小さな平屋の家で暮らしたい施主で、南北に長い平屋で、南と北に庭のある、今後の住宅のモデルとなる家となった。優秀賞の３作品は、正方形の敷地を斜めに分割したデザイン手法で開放的な空間を創り出した朝霞の家、築30年の2階建て住宅を全面的にリノベしたストック活用の既築住宅再生案、そして地域材の活用、地域業者と作ることで地域産業に貢献する深谷の家が選ばれた。審査員特別賞は悪条件の敷地を南北逆転した発想の案。学生の中でも日時計の家は実際に建ってもおかしくない設計でこれからの成長が楽しみだ。（中村勉）

埼玉県知事賞　建築部門
２つ庭の家
株式会社小林建設
代表取締役小林伸吾