お知らせ

令和元年度 住生活月間シンポジウム「高齢化社会における暮らし方」①

住生活シンポジウム

去る10月21日令和元年度住生活月間シンポジウムが「高齢化社会における暮らし方」と題して開催され、加藤プラチナクリニック院長の加藤俊徳氏の「いくつになっても脳が若返る生き方」と建築家・東京藝術大学准教授藤村龍至氏の「超高齢化社会における持続可能な郊外住環境の実現にむけて」と題する各講演が行われました。このうち加藤氏の講演要旨を掲載します。なお、藤村氏の講演は次回に掲載する予定です。


いくつになっても脳が若返る生き方

株式会社脳の学校代表
加藤プラチナクリニック院長
昭和大学客員教授
加藤 俊徳 氏
 

近年日本は、様々な自然災害に見舞われていますが、私たち人間は、さらに色々な災害に会っても、強くたくましく生きていかなければなりません。最近は、AIやIT社会と言われていますけれども、結局、私たち人類はこの地球ができてから、様々な天変地異、自然と戦って生きてきました。その中で我々は、より自然に勝つために自分たちの脳を鍛えてきました。私たちは、日本の全ての地域でこんな災害に負けてはいられません。
 そういうことで今日は、皆さんの脳が若返る生き方、皆さんが毎日、一日生きたら一日頭が良くなる、一日元気になる方法をお話したいと思います。

 寝不足、運動不足、食不足、この三つが不足したら終わりです。健康寿命は、これが関係しています。

 まず、寝不足が良くありません。以前は、睡眠中には体を休めればいいと思われていたのですが今は違います。寝ているときには脳の中のリンパ管が開いて活動して酸素を使い、老廃物が出ます。その代表的な老廃物がアミロイドベータです。アミロイドベータが脳に溜まると認知症の引き金になると言われています。アルツハイマー型認知症などです。睡眠不足で脳を休ませないと、アミロイドベータという物質が溜まり認知症が始まるのです。そして、いびきは老廃物を溜める超ハイリスクです。さらに睡眠時無呼吸の人は、より老廃物が溜まりやすいです。
 それなので、睡眠は二つの効果があると言われています。一つは、体を休めること、もう一つはアミロイドベータという老廃物を寝てる間に髄液に排泄することです。
 さらに、運動不足が良くありません。中高年の運動不足は、認知症になるリスクが4倍高いと言われています。
 また、高齢になって、粗食が過ぎて栄養不足になると、介護率が高くなります。食不足も良くありません。

 認知症は予防しかありません。

 一番最悪なのは孤独です。孤独は、脳をぼけさせます。
 友達いっぱいつくったり、こういう協議会に集まったり、自分を孤独にしない。人に頼られる、仕事をし続ける、地域社会に関わる、こういったことが、大切です。孤独を免れると、自分の脳を毎日健康にできるのです。
 脳は毎日使わなければ衰えていきます。定期的にやるスポーツがない。心ときめく友人、知人、有名人がいない。理髪店、美容室が2年以上変わっていない。カラオケの持ち歌が十年間増えていない。などが、危険信号です。

 また、年を取っても強く生きる方法は、自然と交わることです。決してITやロボットやスマホなど、科学技術と交わるよりは、自然と交わり、自然に接することが大切です。もっとも大切なのは、朝起きて、太陽を見て、夕日の沈むのを見て、夜は星空を見て、ああ、今日一日過ごした。地球は回っている。そういうふうに感じることが大切です。
 子供たちも大人も早く寝ることが大事です。大人も11時前に寝る人は、風邪も引きません。最近インフルエンザが流行っていますけれども、免疫機能は寝たほうが上がります。そして、ある報告によれば、乳がんの患者さんも、末期であっても、ちゃんと寝られる人は乳がんの進行が少ない。長生きすると言われています。がんの末期でも、十分な睡眠を取ってリズム良く生活することが、私たちの体を健康に維持するということです。

 繰り返しますが、脳に悪いのは、寝不足、運動不足、食不足です。この3つが不足しないように予防することで、さらに、若返るには、感謝、思いやり、礼節、道徳心の向上が大事です。
 感謝、礼節、思いやり、道徳心。これが体に染み込んでいる民族は、世界中で日本の人たちだけだと思います。日本人の三つ子の魂だと思います。
 感謝、思いやり、礼節、そして、道徳心の向上を持って、これからも若返る生き方をやっていただきたいと思います。


Smile通信 vol.78

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る